そっけなくするわけにはいかない小売りの「塩対応」

小売りの世界において商売の重要なキーになるであろう「塩対応」は、文字通り「塩」、「塩分」への対応である。今回は、減塩商品や食品の成分表示、添加物等への取組みについて取り上げ、また食品スーパーの対応の在り方について考察する。

"そっけなくするわけにはいかない小売りの「塩対応」" table of contents

  1. そっけなくするわけにはいかない小売りの「塩対応」
  2. 減塩派の意識の高さは、半端ではない
  3. 一食で塩分の目標値を大幅に超えるラーメンがある?
  4. 表示・ルールの変更におけるもうひとつの変化
  5. 食品添加物への過剰な反応に対処する

ナトリウム表示と塩分表示

そっけない受け答えをすることを「塩対応」と呼ぶことをご存知の方も多いだろう。2014年度の流行語大賞の候補に、ノミネートされていたからである。人気アイドルグループAKB48のメンバー島崎遥香の、ファンへのそっけない対応に対して使われていた言葉だが、実はこの「塩対応」、小売りの世界においても、商売の重要なキーになりそうな言葉なのである。もっともこちらの場合は、そっけない対応でお茶を濁すわけにはいかないのだが。

2015年に、食品表示法が改正された。この中で、従来ナトリウム表示で可だったものが、塩分表示を義務づけられることになった。味噌や醤油などの多くの商品において、塩分表示が定着しつつあるものの、ナトリウム含有量で表示している商品も未だ少なくない。ナトリウム表示であれば、図表①のように計算する必要があり、消費者にとっては判りづらいものである。

図表①ナトリウムの塩分量への換算式

このナトリウムの含有量を表示しているのは、栄養成分表と呼ばれるものである。この表示は現状任意であったが、こちらも、5年間の猶予期間が設けられるものの、強制表示に変更されることになった。塩分に対しての表示が、より厳格なものを求められるのである。それとほぼ平行して、食事摂取基準の2015年版において、塩分の摂取目標が変更された。成人男性は、従来の9g未満から8g未満へ、女性は、従来の7.5g未満から7g未満へ引き下げられたのである。つまり表示と摂取基準において、塩分に関する2つの変化が、今年同時に起こるわけである。このことは、高齢化社会へと進む日本において、減塩への意識の高まりに拍車が掛かることが予測される。すでに大手メーカー中心に、減塩商品の開発を促進する動きも出てきている。そんな中、今回は、顧客に最も近い立ち位置にある食品スーパーが、何をするべきかを、顧客データを絡めながら考えてみたい。

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  1. そっけなくするわけにはいかない小売りの「塩対応」
  2. 減塩派の意識の高さは、半端ではない
  3. 一食で塩分の目標値を大幅に超えるラーメンがある?
  4. 表示・ルールの変更におけるもうひとつの変化
  5. 食品添加物への過剰な反応に対処する