たかが年代、されど年代 5つの年代別支持のパターンから見えてくるもの②

前回はID-POS分析でキーとなる年代から得られる知見についての基本的な考え方をさまざまな食品の分析データと共に紹介した。今回はその続編として、この手法を使って得られた品揃えの改善や、評価への活用について、更に一歩踏み込んだ事例と合わせて紹介してみたい。

"たかが年代、されど年代 5つの年代別支持のパターンから見えてくるもの②" table of contents

  1. たかが年代、されど年代 5つの年代別支持のパターンから見えてくるもの②
  2. 明確に分かれるシニア、ファミリー、ヤングの支持商品
  3. 必要量の関連素材を併売して、初めて中華フェアと称すべき
  4. 複雑な解析よりも、年代別の支持への的確な対応に力を注ぐべき

鍋つゆにみる5つの年代別支持のパターン

「すきやき」ソングとして欧米でも知られた坂本九の上を向いて歩こうは、中村八大が作曲したものである。日本人の心の歌とも呼べるような曲が、欧米でも人気が出たことに、年代が高くなるほど、誇りを感じる人が少なくないようだ。曲を象徴する冒頭のフレーズは、誰もがすぐに口ずさめるほど印象的で魅力的なものだが、実はこのフレーズは純粋に中村八大の手によるものではない。今なら「パクリ」と考える人もいるかも知れないが、外国の作曲家が作ったある曲の一部をモチーフに、中村八大が作曲したものなのである。その作曲家の名前は、ベートーベン。彼のピアノ協奏曲第5番「皇帝」の冒頭のフレーズを聴けば、そのメロディが同じであることに、誰もが気付くはずだ。世界的にヒットしても不思議はないわけである。ファンが長年抱いてきた「すきやき」ソングのイメージを覆してしまいそうな話だが、「すきやき」には、シニア層の思い入れがそれほど強いのである。音楽だけでなく、特に食べる方の「すきやき」にである。今回は前回に続き、年代別の支持を評価する5.1分類分析手法の第2回目だが、まずはそのシニア層の支持が高い「すきやき」を含む鍋つゆの事例から話を進めてみたい。

ファミリー向けの商品ばかりが目立つ鍋つゆの関連販売

鍋つゆは好調に売上を伸ばしているカテゴリーのひとつである。スーパーの売り場を歩いていると、さまざまな種類の鍋つゆが、売り場の至るところに陳列されていることがわかる。日経MJで紹介されていたミツカンの調査では、市場が拡大しているのは、つけだれなどの鍋関連調味料ではなく、鍋つゆであることが示されていた。各スーパーが、多面展開をして売り込んでいることが、その後押しをしているのだろう。しかし売り場を眺めているとあることに気付く。生鮮の売り場に関連販売されている鍋つゆは、判で押したように複数人用のファミリー向け商品ばかりなのである。数年前から、小分けタイプの商品が発売され、その種類も増えてきたが、定番やエンド以外ではそれをあまり見ることがない。それは売り方として理にかなったことなのだろうか。まずはそれについて、年代別5.1分類を使って検証してみよう。

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  1. たかが年代、されど年代 5つの年代別支持のパターンから見えてくるもの②
  2. 明確に分かれるシニア、ファミリー、ヤングの支持商品
  3. 必要量の関連素材を併売して、初めて中華フェアと称すべき
  4. 複雑な解析よりも、年代別の支持への的確な対応に力を注ぐべき