顧客データ分析の手法その1 バスケット分析

今回の「商売上手を科学する」は顧客データ分析の手法の紹介の第一弾として、バスケット分析をテーマにお客様の買い物を科学する。ハンバーグ、そうめんとめんつゆ、中華フェア、タイカレー缶等を例として、データと向き合うポイント、データ活用のヒントをご紹介したい。

"顧客データ分析の手法その1 バスケット分析" table of contents

  1. 顧客データ分析の手法その1 バスケット分析
  2. バスケット分析 そうめんと同時購買されるのはストレートタイプのつゆのみ?
  3. バスケット分析事例 中華フェアでは、八宝菜をメインに売れば売上が稼げる?
  4. バスケット分析を使わない棚割の妥当性検証

バスケット(同時購買)分析から何が見える?何を見る?

ハンバーグヘルパー
写真1

写真①の商品は、ハウス食品の人気商品のひとつ、ハンバーグヘルパーである。息の長い支持があり、どこの食品スーパーでも取り扱いがあると思って間違いない商品だ。ちなみにどこかのスーパーでこの商品を探してみて欲しい。恐らく見つけるのに少し苦労するに違いない。実はこの商品、定番の常連であるにもかかわらず、陳列場所が各社まちまちで、未だ定位置が定まらない「不遇の商品」?でもあるのだ。あるスーパーでは、パン粉のコーナー(ハンバーグにはパン粉が必要との発想からだろうが、この商品はパン粉入りである)に、またあるスーパーでは、唐揚げ粉のコーナーに配置されている。関連の薄い春雨、ビーフンと一緒に並べているスーパーもあれば、チャーハンの素と一緒に並べているスーパーまである。一体どの棚に組み入れたらお客に一番わかりやすいのだろうか。その答えを見つけるには、今回のテーマであるバスケット分析(※注①)を使うことが有効だ。

※注① バスケット分析:一緒(同時)に購買される商品を見つけるためのデータ分析手法

図表①はそのバスケット分析を使って、ハンバーグヘルパーとの同時購買商品を、食品スーパー3社のデータを使って調べた結果である。

図表1 ハンバーグヘルパーとの同時購買商品 リフト値上位商品

それによると、リフト値(※注②)上位は、いずれもハンバーグソースで占められていることがわかる。また3社すべて、同じ銘柄のハンバーグソースがリフト値1位となっている点も共通している。この3社は、ともに異なる場所にバーガーヘルパーを配置しているが、それでもこれほど顕著な結果が出てくることは特筆に値すべきことだ。この結果を見る限り、ハンバーグヘルパーは、ハンバーグソースの棚に配置すべきことは明白で、未だに定位置が定まらないことが不思議なくらいである。山梨を基盤にしたオギノや、関東のサントクなど、ハンバーグソースの棚に組み込んでいる食品スーパーはもちろんあるが、未だ少数派である。その中で最もユニークなサミットの野沢龍雲寺店の配置を紹介したい。この店の加工食品のカテゴリー配置は、食のシーンを強く意識したくくりが徹底されている。その中に「お肉を食べよう」というタイトルで、肉関連の調味料やソースが集約展開されたコーナーがある。ハンバーグヘルパーはそこに配置されているのだ。図表②はそのゴンドラ内の品揃え内容である。これを見る限り、ハンバーグヘルパーの、最も安定した定位置が、漸く確保されたように思えるのだがいかがだろうか。

図表2 サミット野沢龍雲寺店 お肉を食べようコーナー

※注② リフト値:バスケット分析において、同時購買の傾向を表わした比率で、その値が高いほど同時購買する確率が高いことを示している

"顧客データ分析の手法その1 バスケット分析" table of contents

  1. 顧客データ分析の手法その1 バスケット分析
  2. バスケット分析 そうめんと同時購買されるのはストレートタイプのつゆのみ?
  3. バスケット分析事例 中華フェアでは、八宝菜をメインに売れば売上が稼げる?
  4. バスケット分析を使わない棚割の妥当性検証