PB商品でより儲かるのは、小売りか?メーカーか?

PB商品の市場は年々拡大を続けているが、NB商品とお客様の買い方に違いがあるのだろうか。また、小売店にとってどんなメリットがあるのだろうか。顧客データを通じて得られたスーパーマーケットにおけるPB商品、NB商品の違いについて解説する。

"PB商品でより儲かるのは、小売りか?メーカーか?" table of contents

  1. PB商品でより儲かるのは、小売りか?メーカーか?
  2. NB商品は年代が高くなるにつれリピート率が上昇
  3. PB商品しか買わない人も若い世代ほど多い
  4. NB商品とは異なる客層を捉えるPB商品
  5. 予想以上のウィンウィンの関係?

PB(プライベートブランド)商品、NB(ナショナルブランド)商品

小売りの世界でタブーなものは、お客様に対しての否定的な表現である。お客様の言い分を否定する「でも」であったり、「無料での配達はいたしかねます」といったり、ネガティブな表現を含む言い回しは、禁句なのである。同じことでも、「○○円で、近隣どこへでも配達いたします」といったポジティブな表現に変えれば、お客様が受ける印象も変わるというわけだ。今を遡ること半世紀以上前、そんな小売りにおいてタブーのはずの、否定を意味する「NOノー」という言葉を、堂々と冠に添えた商品があった。今で言うところのPB商品である。日本で最初の食品のPB商品、みかんの缶詰が世に出たのは昭和35年である。当時わずかに年商32億のスーパーであったダイエーが発売したものであった。ダイエーはその翌年にもインスタントコーヒーを発売したが、当時、PB商品という言葉は一般的ではなく、ブランド品ではないということから、ノーブランド商品と呼ばれていたのである。その後も品揃えは増え続け、やがてセービング商品というPB商品の誕生につながるわけだが、ノーブランドという言葉が小売りには馴染まなかったのか、今ではほとんどそれを耳にすることがなくなった。その代わりにPB(プライベートブランド)商品という言葉が、小売りによる自社開発商品のすべてを表現することになったわけだが、メーカー、小売り、消費者のいずれにとってもメリットがあるから、PB商品の市場は年々拡大を続けているのである。そんなPB商品が持つNB(ナショナルブランド)商品と異なるさまざまな購買の特性が、顧客データを分析している中で明らかになってきた。PB商品とNB商品との決定的な相違点は何か。小売りにとってのPB商品のメリットとは何か。値入率が高いとか、価格決定権があるとか、一般的に言われていること以外にも、実はPBにしかない別の大きなメリットがあることが、顧客データを分析することから見えてきたのである。今回はそのことを含め、メーカー、小売りの双方の視点から、PB商品をどう評価すべきかを探ってみたい。

若い世代からの支持が高いPB商品

今回のテーマで対象としたPB商品は、価格志向型、EDLPを基本としたPB商品である。またNBとの比較という観点から、主に全国的な認知度が共通しているグロサリー部門の商品にスポットをあてている。

図表①-1■支持年代層型別構成比(%):A社PB
図表①-2■支持年代層型別構成比(%):B社PB

図表①は、この連載において何度も登場する5.1分類という年代別支持の評価手法(注①)を用いて、あるグロサリー部門のPB商品がどのような年代別支持のパターンに分かれているのか、その割合を示したものである。約400品目のA社(図表①上段)と80品目のB社(図表①下段)の2社の事例を掲載している。両社に共通して特徴的な点は、ファミリー層、ヤング層の構成比が共に高いという点である。これはグロサリー約2000品目の5.1分類での年代別支持を示した図表②と比較して見れば明らかである。

図表②■支持年代層型別構成比(%):グロサリー部門

実は食品スーパーにおいては、この図表②に示されたように、ファミリー層、シニア層に支持される商品の割合が拮抗し、その2つに比べて、ヤング層に支持される商品の割合が、それほど高くないことが一般的な傾向なのである。しかしPB商品だけで見ると、ヤング層に支持される商品の割合が、シニアを大きく上回ることが多いのだ。PB商品は、ヤング層をターゲットに開発されるものが多い、ということを意味しているのだろうか。

"PB商品でより儲かるのは、小売りか?メーカーか?" table of contents

  1. PB商品でより儲かるのは、小売りか?メーカーか?
  2. NB商品は年代が高くなるにつれリピート率が上昇
  3. PB商品しか買わない人も若い世代ほど多い
  4. NB商品とは異なる客層を捉えるPB商品
  5. 予想以上のウィンウィンの関係?