3分で読める!「バスケット分析」について

バスケット分析とは、買い物かごの中に入っている商品の関係を調べる手法です。顧客がどのような商品を一緒に購入しているかを分析することで、購買行動や顧客のニーズを把握できるため、関連商品の発見やクロスセル、アップセル戦略の構築ができます。この記事では、バスケット分析の基本から具体的な事例まで、小売業界におけるデータ分析への理解を深めるための分析手法を紹介します。

バスケット分析とは?

バスケット分析(Basket Analysis)はデータ分析の一種で、顧客の購買行動を理解し、商品やサービスの販売戦略を最適化するために使用される分析手法です。

バスケット分析は別名「マーケットバスケット分析」とも呼ばれます。

購買データを収集/整理し、頻繁に一緒に購入される商品の組み合わせを見つけ出すことで、関連性の高い商品を発見します。

これにより、特定の商品が他の商品とどのように結びついて購入されるかが明らかになるため、商品陳列やマーケティング戦略の改善に活用できる分析手法となっています。

バスケット分析の重要指標

バスケット分析は小売業界においてよく使われる分析手法で、様々な指標が存在します。

今回は、バスケット分析の中でも特に頻繁に活用されている「同時購買率」、「指定商品同時購買率」、「関連商品購買率」、「リフト値」という指標をご紹介します。

ここでは指定商品を商品A、一緒に購入される関連商品を商品Bとします。

同時購買率(支持度)

同時購買率とは、商品Aと商品Bが一緒に購入される割合を示す指標です。同時購買率は、同時購入数を全体購入数で割ることで計算されます。

同時購買率 = 同時購入数 / 購入者全体数
(全顧客のうち、商品Aと商品Bを同時に購入する割合)

同時購買率が高いということは、一緒に購入される関連性が強いことを示しており、顧客に関連商品を提案することで、売上の増加が見込めます。

指定商品同時購買率(信頼度)

指定商品同時購買率とは、商品A購入数のうち、商品Bも一緒に購入される割合を示す指標です。

指定商品同時購買率は、商品Aと商品Bの両方の購入数と、商品Aの購入数で割ることで計算されます。

指定商品同時購買率 = 同時購入数 / 商品A購入数
(商品A購入者のうち、商品Bも同時に購入する数の割合)

指定商品同時購買率が高い場合には、商品Aと商品Bの間に強い関連性があることを示します。

この関連性を活用して、商品Aを購入した顧客に対して商品Bを提案することで、売上を獲得できる機会が増加します。

関連商品購買率(期待信頼度)

関連商品購買率とは、商品Bが購入される割合を示す指標です。

関連商品購買率=商品B購入数 / 購入者全体数
(全顧客のうち、商品Bを購入する割合)

購入者全体の中で関連商品を購入した人を洗い出すことで、後述しているリフト値の算出が可能になります。

リフト値

リフト値とは商品同士の関連性を評価するための指標で、商品Aが購入された場合に、商品Bの購買率がどれだけ増加するのかを示します。

リフト値=指定商品同時購買率 / 関連商品購買率
(関連商品購買率に対する、指定商品同時購買率の割合)

関連商品購買率が商品Bを購入する割合に対して、指定商品同時購買率は商品A購入者のうち商品Bを購入する割合という違いがあり、リフト値が1より大きい場合、「商品Bは単体ではなく商品Aと一緒に買われやすい」と言えます。

リフト値が1の場合、商品Aと商品Bの購買はランダムであるか、関連性がないことを示しており、リフト値が1より小さい場合は、商品Aと商品Bの逆相関関係があることを示します。

バスケット分析の成功事例

バスケット分析の事例として、豚挽肉の同時購買商品をいくつか挙げました。
豚挽肉を軸として5つの商品の数値を見てみます。

関連性の指標であるリフト値を確認していくと、「餃子の皮」と「麻婆豆腐の素」はリフト値が2を超えており、他の3商品はリフト値が1を下回っています。

このことから、豚挽肉と「餃子の皮」、「麻婆豆腐の素」は相関関係がある商品ということが分かります。

実際の売場でも、「餃子の皮」や「麻婆豆腐の素」は精肉コーナーに一緒に陳列されていることが多いと思います。

バスケット分析によってこのような商品の相関関係がわかるので、顧客の同時購買を促す売場やチラシの作成につなげることが出来ます。

 

バスケット分析を応用することで見えるもの

バスケット分析を行うことで、クロスセル戦略の最適化やアップセル機会の発見による収益最大化、商品配置と在庫最適化など、様々な場面において効果的なリソース活用が期待できます。

本来であれば、バスケット分析は膨大なデータを分析・集計を必要とするため分析に時間がかかってしまいますが、「Customer Journal」はボタンを押すだけで、商品のバスケット分析を店舗・カテゴリーを問わず、簡単に分析をすることができます。

さらに、「Retail View」はPOSデータだけでは見ることが困難だった、数値や売上をビジュアル的に確認することができるため、売上データと顧客データを掛け合わせた新しい分析視点で自社の店舗改善を行うことが可能です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

執筆者紹介

営業統括部 BP3部 松浦謙聖
法政大学社会学部卒 2023年に新卒入社。
大学時代は陸上部に所属し100mを専門種目として活動。
国民体育大会出場。
現在は営業をしながらデータ分析について勉強中。

松浦から一言
日々努力して社会人として成長していきます!