売場で差がつく!野菜訴求の4つの基本ポイント

多くの消費者にとって「野菜=サラダ」という発想は強く根付いています。特に若い世代は旬を意識せず、常にサラダ用カット野菜を手に取ります。確かに手軽さは魅力ですが、それ以外の野菜は調理や保存の手間がハードルとなり、購買が敬遠されがちです。こうした障壁を乗り越えるには、売場でのPOPや情報発信が不可欠です。特に「買わない理由」を解消する4つの訴求ポイントを押さえることで、販売機会を大きく広げられます。

訴求ポイント①食べ方・調理方法

まず1つ目は「食べ方・調理方法」です。顧客が知りたいのは難しいレシピではなく、最も簡単な活用方法です。「生でそのまま食べられる」「レンジで2分温めるだけ」といった具体的な一文を添えるだけで、心理的なハードルは下がります。

訴求ポイント②保存方法

2つ目は「保存方法」です。野菜は劣化が早く、買っても使い切れない不安が購買意欲を削ぎます。そこで「冷凍保存で1カ月持つ」「水に浸けておけば鮮度を保てる」など、簡単な保存術を明示すれば、顧客は安心して購入できます。

訴求ポイント③手間抜き調理法

3つ目は「手間抜き調理法」です。特に根菜類や緑黄色野菜は下茹でや皮むきが面倒だと敬遠されがちです。あらかじめカットしてレンジ加熱で温サラダにできるセット商品を用意するなど、「時短」「簡便」を前面に出す工夫が求められます。

訴求ポイント④栄養や効能

 4つ目は「効能の訴求」です。健康や美容に関心の高い層にとって、「βカロテンが豊富」「免疫力を高める」などの栄養的メリットは強い購買動機になります。特にSNSでの拡散力も期待できるため、効果的な一言が売場全体の印象を変えることもあります。

こうした情報をPOPや商品パッケージで伝えることにより、「食べ切れる量がない」「どう調理すればよいか分からない」といった典型的な機会ロスを解消できます。特に若年層や共働き世帯にとって、こうした一言の情報提供は購入を後押しする大きな要素となります。

結論として、売場POPは単なる説明ではなく「顧客の不安を取り除く装置」です。4つの基本を徹底することで、購買頻度は確実に向上し、野菜の売上全体を底上げすることが可能になります。

掲載情報
こちらの記事は、食品商業2021年10月号に掲載されています。
※外部サイト(Fujisan.co.jp)に遷移します。本記事は、スーパーマーケット専門情報誌「食品商業」にて弊社分析推進室の清原和明が連載しているものであり、株式会社アール・アイ・シー社の承認の上掲載しています。 出典:販売革新2021年10月号
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