食用油別!缶詰の選び方から見る売上維持の秘訣

食用油の購買者がどの水産缶詰を選ぶのか、把握できていますか?
食用油の種類別に顧客が選ぶ水産缶詰の傾向を理解することが、売場の効率改善に繋がります。
顧客のニーズに応じた商品構成、売上向上につなげる方法を解説します。

こちらの記事は続編です。前回の記事はこちらから↓

健康志向が高い人がこだわって購入する商品なら高額でもヘビーユーザーに?

ツナ缶の人気の理由

図表④、⑤は、主な食用油の種類別に各購買者が買っている水産缶詰の上位10品目を調査したものです。
図表④では、どの食用油の購買者においてもその上位10品目の売数だけで、水産缶詰全売数の3〜4割強もの高い割合を占めていることがわかります。10品目の具体的な品名を示した図表⑤ではツナ缶を示す薄緑色の多さが目立ちます。サバ缶やイワシ缶の場合、青魚が苦手な人は敬遠しがちかもしれません。
一方ツナ缶は複数缶をパックにしたお買い得商品が多く、サラダやおにぎりの具材等に使えるので、より様々な人に支持されています。

図表④食用油の種類別購買者の水産缶詰全売数に占める上位10品目の割合

図表⑤食用油の種類別購買者の水産缶詰売数上位10品目の品名とその割合

エゴマ油・アマニ油購買者の水産缶詰の購買における特徴

しかし、エゴマ油とアマニ油の購買グループだけは、その大半がサバ缶とイワシ缶に占められています(青色の部分)。それぞれ10品目中7品目がサバ缶とイワシ缶であり、水産缶詰全売数に占める割合(黄色の部分)では、共に2割を超えているのです。
更に図表⑥に示された売数上位10品目だけに限った場合のサバ缶とイワシ缶の売数が占める割合は7割を占め、他の食用油購買者と比べて、断トツに高い値であることがわかります。

図表⑥水産缶詰売数上位10品目に占めるサバ缶とイワシ缶の割合

サバ、イワシ共に、EPA、DHAを豊富に含む青魚を代表する魚種なため、エゴマ油とアマニ油の購買者は、それらの摂取にかなり高い意識があるということが言えます。そのため、容量が少なく、価格も高めであるにも関わらず、繰り返し購入するファンが多く、一人あたりの買上点数(回数)が上がることにつながっています。

 

顧客の効率を改善するために着目すべき商品の特徴

ひとつのカテゴリーで見た場合、商品のファン的な顧客が多ければ多いほど、購買顧客数が減っても、売上が維持出来る可能性が高くなります。このような効率改善につながる商品こそ、着目すべき優位性がある商品であると言えます。

顧客データ分析ソフト「Customer Journal」とは?

Customer Journalは、顧客の変化を「見える化」できるシステムです。
個店ごと・顧客ごとの購買状況を分析でき、購買金額の変化が分かります。

また、商品の支持年代層やリピート・同時購買といった購買傾向も分かるため、商品の特性を把握することもできます。
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本記事は、スーパーマーケット専門情報誌「食品商業」にて弊社分析推進室の清原和明が連載しているものであり、株式会社アール・アイ・シー社の承認の上掲載しています。

出典:食品商業2024年2月号「200万人の顧客データが語る「こうすればもっと売れる!」第34回」

データアナリスト紹介
清原和明
1981年ダイエー入社。95年西明石店店長、98年九州SM営業本部北福岡ゾーンマネジャー、99年九州SM営業本部エリアマネジャー、2001年営業企画本部FSP推進部長、05年近畿販売本部営業部長に就任。08年消費経済研究所に出向し、常務取締役マーケティング担当就任。その後、ダイエー関東営業本部営業部長を経て、12年データコム分析推進室室長就任
掲載情報
こちらの記事は、食品商業4月号に掲載されています。
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