3分で読める!「相乗積」について

小売業界における利益の最大化は、常に経営者やマネージャーの頭を悩ませる大きな課題です。
売上を伸ばすためにはどの商品を取り扱うべきか、どのカテゴリーの販売に注力すべきかという点が重要になります。
では、どのようにしてこれらの重要な意思決定を行うのでしょうか?
このブログでは、「相乗積」という小売業界における重要な指標に焦点を当てて解説していきます。

相乗積とは?

「相乗積」とは、カテゴリーや商品群ごとの利益貢献度を表す重要な指標です。
この指標は、売上の貢献度(売上構成比)と利益の貢献度(利益率)の二つの要素から成り立っています。
これらの要素を掛け合わせることで、カテゴリーや商品が全体の利益にどれだけ貢献しているかを総合的に評価することができます。

著作者:pch.vector/出典:Freepik

相乗積の計算方法

相乗積の計算は、以下のシンプルな式によって行われます。

相乗積 = 売上構成比 × 利益率

例えば、ある商品群の売上構成比が30%でその利益率が50%の場合、
その商品群の相乗積は30%×50%=0.15となります。
この計算をすべての商品群やカテゴリーに適用し、それらを合計することで、
店舗全体の利益に対する各カテゴリーの貢献度を把握することが可能になります。

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相乗積と収益性の関係

相乗積は、小売業における収益性を向上させるための重要な指標です。
高い相乗積を持つカテゴリーや商品群は、全体の利益に大きく貢献していることを意味します。
従って、これらのカテゴリーや商品群に焦点を当て、売上構成比を増やすことで全体の収益性を高めることができます。
逆に相乗積が低いカテゴリーや商品群については、売価の見直しやプロモーションの強化を通じてその収益性を改善することが考えられます。

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相乗積の活用事例

相乗積の活用事例をご紹介します。以下は、売上ベスト5商品の相乗積を店舗別に比較分析した例です。
特に、カレー・シチューカテゴリーでの売上上位5品をピックアップし、それぞれの店舗での相乗積を調査しました。

 

これを見ると、他店に比べてクシー店の売上ベスト5品の相乗積の合計値が低いことがわかります。
利益貢献度の高い売上ベスト5品の相乗積が他店に比べて著しく低いことからも、
クシー店は売価や売場の見直しを検討する必要があります。
このように、店舗別の商品の相乗積を比較分析することで、売り込み強化が必要な商品や店舗を特定することができます。

相乗積が計算出来る「d3」

商品分析システムd3では、相乗積のような小売でよく使われる重要な分析指標を集計できる機能を提供しています。
現場の声を反映した画面とシンプルな操作性を実現し、全店レベルで使えるパフォーマンスで”データを見る”文化を実現させます。

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執筆者紹介
カスタマーサクセス室 栄利康太
山形大学人文社会科学部卒 2023年に新卒入社。
大学時代は会計学を専攻。
現在はカスタマーサクセス室でデータ分析やユーザー支援を担当。

栄利から一言
データ分析を活用して、小売業の発展に貢献するために頑張ります!