健康志向消費者を魅了する食用油販売戦略

高価格でこだわりのある商品は、その理由が納得できなければ購入されません。
特に食用油は、健康志向の高まりからこだわり商品が多く、その特徴をしっかり訴求することが売上向上に直結します。
今回は、消費者の健康志向に合わせた販売戦略について具体的に解説します。高額な商品でも消費者の関心を引き、ブランドスイッチを促しましょう。

 

こちらの記事は続編です。前回の記事はこちらから↓

1人当たりの効率を上げる商品へのブランドスイッチ!

 

高価格商品の購入条件

価格が高めでこだわりがある商品の場合、そのこだわりの理由が納得出来なければ手に取ることはありません。
食用油は、健康志向が話題に上るようになって以来、ほとんどがこだわり商品となった数少ないカテゴリーのひとつです。そのため、訴求は極めて重要です。

 

新たな食用油の魅力と訴求ポイント

一例として、アマニ油やエゴマ油同様にEPA、DHAを多く含む食用油に、サチャインチオイルやカメリナオイルがあります。
品揃えのある店は少ないですが、アマニ油、エゴマ油と異なる点は、熱に強く酸化しにくいという点です(詳しくは注釈を参照)。
これまでの記事でも見てきたように、アマニ油、エゴマ油の購買者はこだわりが強いため、
酸化を気にせず使える新たな商品であれば、新規購入者を含め、より高額でもブランドスイッチする可能性があります。
もしそれらを新たに品揃えするとしたら、その違いを訴求することは必須です。

 

食用油の知識と売り場の見直しの必要性

図表⑧のようなPOPもなくただ陳列するだけでは、
「高額商品だから品揃えしてみたものの売れなかった」という結論に終わる可能性が極めて高いです。
そう考えると、自店の食用油売場について、各商品の特徴が買い手側にわかりやすく伝わる訴求がされているか否か、一度チェックしてみることも必要だと考えられます。
しかし、食用油について、正しい理解がなければチェックもままなりません。

図表⑧POP事例 「サチャインチオイル」

そこで各食用油を、2通りある脂肪酸の分類区分に基づき、早見表にまとめてみました(図表⑨)。訴求する際の参考にしてみてください。

図表⑨2つの分類区分に基づく脂肪酸の早見表

脂質は三大栄養素のひとつであり、食用油は普段から口にする頻度も高い食品です。それだけに、こだわりの強い消費者も多いので、売り手側も、充分な商品知識を持つことが必要です。この機会に一度おさらいをしてみてはいかがでしょうか。そうすれば、売り方、品揃えを見る目も、自ずと違ってくるはずです。

※注釈
アマニ油、エゴマ油は酸化しやすいため、酸化防止の二重構造容器を採用した商品も多い。通常の容器の場合、開封後常温で長くおくと酸化が進んでしまうため。

 

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本記事は、スーパーマーケット専門情報誌「食品商業」にて弊社分析推進室の清原和明が連載しているものであり、株式会社アール・アイ・シー社の承認の上掲載しています。

出典:食品商業2024年2月号「200万人の顧客データが語る「こうすればもっと売れる!」第34回」

データアナリスト紹介
清原和明
1981年ダイエー入社。95年西明石店店長、98年九州SM営業本部北福岡ゾーンマネジャー、99年九州SM営業本部エリアマネジャー、2001年営業企画本部FSP推進部長、05年近畿販売本部営業部長に就任。08年消費経済研究所に出向し、常務取締役マーケティング担当就任。その後、ダイエー関東営業本部営業部長を経て、12年データコム分析推進室室長就任
掲載情報
こちらの記事は、食品商業4月号に掲載されています。
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