果物の購買傾向を解析!購買データに影響を及ぼす背景とは?
今回は、各種果物ごとの年間1人あたりの購買アイテムデータを用いて、各果物の購買品目数について考察します。さまざまな年齢層ごとに分けた果物の購買傾向から果物の購買に至る背景など、柔らかな視点で考えてみましょう。
年代別購買品目数の分析
まず、お伝えしたいポイントは、各種果物ごとの年ごとの一人あたりの購買アイテム数(年間)を示したデータです。
これを見ると、若い世代ほど、購買アイテム数が少ない傾向があることが分かります。
また、全体的な傾向を見ると、昔から親しまれてきたいちごやりんご、ぶどうなど果物は新しい品種も増えていることから、購買品目数は高い傾向にあるようです。
特に、みかんはその典型で一人当たりの購買アイテム数が7.6品目と最も高い数値となっています。
みかんは長い販売期間を持つため、様々な産地や品種が取り扱われ、バラ売りや袋売りなど、さまざまな選択肢があることが、この高い数値の背後にある要因のようです。
品種の異なる違いと購買における影響
一方で、他の柑橘類については、新しい品種も多く、様々な商品が陳列されていますが、実際の購買アイテム数は2.6品目とそれほど高くありません。
上記に掲載しているデータからも現状では柑橘類は販売される際に、柑橘類の異なる品種間の違いを十分に訴求できていない可能性があることが考えられます。
未だに馴染みの薄い品種の場合、購入をためらう人々も少なくないのではないでしょうか。
特に柑橘類は酸味のある品種も多いため、購入に対して酸っぱい場合の不安が影響しているかもしれません。
顧客の購入出来る商品の選択肢が増えても、購買をためらう人々をサポートする工夫がなければ、購買品目数はそれほど増加しません。
たとえば、知名度の低い品種でも、試食や説明を通じて消費者にアプローチすることで、購買意欲が高まる可能性があるのではないでしょうか。
カットフルーツと購買品目数の関係
カットフルーツは季節限定の果物とは異なり、一年中売り場にあり購入することができるため購買品目数が高くなっています。
カットフルーツの中でも、すぐに食べられる商品は、高齢者だけでなく、若い世代を含めた幅広い年齢層から支持され、頻繁に購入されています。
これによって、購買品目数もどんどん増加しているようです。
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データアナリスト紹介
清原和明
1981年ダイエー入社。95年西明石店店長、98年九州SM営業本部北福岡ゾーンマネジャー、99年九州SM営業本部エリアマネジャー、2001年営業企画本部FSP推進部長、05年近畿販売本部営業部長に就任。08年消費経済研究所に出向し、常務取締役マーケティング担当就任。その後、ダイエー関東営業本部営業部長を経て、12年データコム分析推進室室長就任
こちらの記事は、食品商業9月号に掲載されています。
本記事は、スーパーマーケット専門情報誌「食品商業」にて弊社分析推進室の清原和明が連載しているものであり、株式会社アール・アイ・シー社の承認の上掲載しています。
出典:食品商業2023年9月号「200万人の顧客データが語る「こうすればもっと売れる!」第29回」