同じカテゴリーの商品でも価格や嗜好によって年代ごとの支持率が変わる!?

前回の記事では、5.1分類を活用して食品の大分類13グループの年代別支持率とさらに細かい括りであるカテゴリー単位で年代別の支持の傾向を確認しました。
その中で、若い世代には「手間なし即食」の商品の支持が高いことを丸魚と刺身などの事例で説明しました。
今回は、「価格」や「嗜好」といった切り口で年代別の支持率を見ていきます。

この記事は下記ブログの続編です。前回の記事を読んでいない方は下記をクリックください。

異端児商品が購買者の年代別間口を広げるキーになる!?

 

価格や嗜好が共通の年代別支持となる事例

良く聞く話で刺身が好きではない子供もサーモンだけは食べるということがありますが、主な魚類を比較してみると、それを裏付けるように、サーモンだけが小さな子供のいる40台中心のヤング支持型となっています。
嗜好の要因が、異なる年代別支持に繋がっている事例です。

図表① 魚類の比較

次に、ワカメともずくの比較です。
ワカメの右肩上がりグラフをみると、典型的なシニア支持型ということが分かります。
一方で、もずくは少し緩やかなシニア支持型で、若い世代の支持も少しあがっています。
シニアの支持が高い海藻類の中でも微妙に嗜好の違いがあることが分かります。

図表② ワカメともずくの比較

最後に肉類を見てみます。
鶏肉、豚肉、牛肉では、鶏肉と豚肉はヤング支持型に分類され、牛肉がシニア支持型になります。

図表③ 豚肉、鶏肉、牛肉の比較

今度はそれぞれの産地・ブランド別です。
いずれの肉も国産の銘柄商品はシニア支持型となり、輸入含むそれ以外の商品はヤング支持型のグラフになりました。

図表④ 牛肉、豚肉、鶏肉の銘柄・ブランド比較

ここでキーになるのは価格と言えるでしょう。
育ち盛りの子供がいる家庭を想像すれば、最も単価が低い鶏肉が若い世代の支持を得ていることや、銘柄鶏を除く鶏肉が、40代50代含め高い支持を得ている事も頷けます。

シニアとヤングの真逆の特性を示すX字型のグラフ

以上の、畜産の事例に共通するパターンはいずれも50代と60代の間で交差する、X字型のグラフであるということです。
このグラフはシニアとヤングの真逆の特性を示すパターンと言えます。
このように50代と60代を境に、グラフが反転する事例は少なくありません。
変化が起きる分岐点が50代~60代にあるということは、仕事、生活環境、嗜好、体調など、何かしらの変化が起きる年代であることを反映しているとも言えそうです。

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本記事は、スーパーマーケット専門情報誌「食品商業」にて弊社分析推進室の清原和明が連載しているものであり、株式会社アール・アイ・シー社の承認の上掲載しています。

出典:食品商業2024年3月号「200万人の顧客データが語る「こうすればもっと売れる!」第35回」

データアナリスト紹介
清原和明
1981年ダイエー入社。95年西明石店店長、98年九州SM営業本部北福岡ゾーンマネジャー、99年九州SM営業本部エリアマネジャー、2001年営業企画本部FSP推進部長、05年近畿販売本部営業部長に就任。08年消費経済研究所に出向し、常務取締役マーケティング担当就任。その後、ダイエー関東営業本部営業部長を経て、12年データコム分析推進室室長就任
掲載情報
こちらの記事は、食品商業3月号に掲載されています。
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