果物の魅力を引き出す販売戦略のヒント

日常の食卓において大きな存在である果物。果物は同時購入の戦略が他の商品とは異なる特性を持っています。
その特性によって売り場における情報提供の不足や、新品種ならではの課題も浮かび上がっています。

果物が持つ、その独自の特性や魅力を最大限に引き出すためには、新たなアプローチとして、どのような販売戦略の展望があるのでしょうか。

果物の相関と売り場展開の難しさ

果物には異なる部門やカテゴリーとの関連が、ほとんど見られないという傾向があります。

これは果物を購入している顧客は意識していないことかもしれませんが、果物が独自の特性を持っていることが、
売り場戦略を考える際の選択肢が限定される要因となっています。

というのも果物は他の商品と比べて関連性はあるが、
カテゴリーが異なる商品を複数組み合わせて売場に陳列する販売手法である、
「クロスマーチャンダイジング(クロスMD)」での販売戦略を展開することが難しい場合があるからです。

つまり果物は他の部門やカテゴリーに頼ることなく、
単体で顧客に購入してもらわなければならないという点が野菜と大きく異なるのです。

 

売り場の情報不足と新しい品種の課題

このような観点からみると、
果物は売り場上で甘さや酸味、食べ方のバリエーション、保存方法、食べごろの見極め方など
購入にいたるような情報の掲載が不十分な場合が多々あります。

この傾向は比較的新しい品種や、あまり知られていない果物ではさらに顕著になります。

年配の消費者においても果物を食べる機会が多いことから、果物に関する知識が十分であるとは限りません。
この点を踏まえ果物の販売方法について、適切性を見直し検証することが必要ではないでしょうか。

 

潜在的な機会ロスへの対策と取り組みの必要性

販売されている果物を把握していないことによる潜在的な機会損失は、軽視できないレベルになってきています。

また広く知られた果物であっても、若い世代の中で旬の時期を知らない人々が増加しており、
現代においては旬の時期やそのフルーツならではの良さを分かりやすく伝えることが非常に重要です。

例えば、旬の時期に売り場に商品を多数並べるだけでも、視覚的に顧客の目を引くため効果的ではありますが、
さらに多くの人々に商品に興味を持ってもらい購入してもらうためには、
消費者に寄り添ったアプローチを地道に続けることが不可欠だと考えられます。

 

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データアナリスト紹介

清原和明
1981年ダイエー入社。95年西明石店店長、98年九州SM営業本部北福岡ゾーンマネジャー、99年九州SM営業本部エリアマネジャー、2001年営業企画本部FSP推進部長、05年近畿販売本部営業部長に就任。08年消費経済研究所に出向し、常務取締役マーケティング担当就任。その後、ダイエー関東営業本部営業部長を経て、12年データコム分析推進室室長就任

 

こちらの記事は、食品商業9月号に掲載されています。

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本記事は、スーパーマーケット専門情報誌「食品商業」にて弊社分析推進室の清原和明が連載しているものであり、株式会社アール・アイ・シー社の承認の上掲載しています。
出典:食品商業2023年9月号「200万人の顧客データが語る「こうすればもっと売れる!」第29回」